<あらすじ>
天文院に閉じ込められた花芷は女官から慎閣の方向を聞き出すと、四叔父夫妻の馴れ初めを思い出し、”夏の風よ、夢で会わせて”と書いた凧を揚げて、顧晏惜への変わらぬ想いを伝えようとした。慎閣の窓から凧に気づいた顧晏惜は夢で逢えることを夜ごと願っていると、花芷に思いを馳せた。
皓月の部屋に呼びつけられた花芷は今や侍女のくせにまともにお茶も入れられず良家の御令嬢だと誇示したいのかと因縁をつけられる。娘に出しゃばらせている花家の男はどうなってるのかと嫌味を言われたが、花芷は男たちは三白城にいて今の花家には女子供しかいないと話した。花家の男たちが三白城に流されたと知った皓月は皇帝を恨んでいないのかと尋ねたが花芷は意味がないと一蹴し、家族の半分を養い半分を取り戻すために銭を稼いだ。望みは果たせなかったが運河の水を清くし、農民を救えたから悔いはないと答えた。そんな花芷を何とも言えない表情で見つめた皓月は「羨ましい」というと、もう自分の世話はしなくていいと花芷を下がらせた。
皓月の侍女たちが買い物に行く様子を陳情ら七宿衛は監視し、各胡人の店主たちが通関前に何者かに荷を託されてそれを皓月に売っていることを突き止めた。怪しげな品はなかったが、1つだけ用途不明の赤い粉がみつかった。報告を受けた顧晏惜はその粉を芍薬に渡すよう命じた。
陳情から顧晏惜からの頼みだと赤い粉を渡されて調べてほしいと言われた芍薬は、これが何か分かれば顧晏惜と花芷が帰ってこられるかもしれないと凌王府に戻って沈煥と共に粉の正体を調べ始めた。
ある夜、天文院のテラスで花芷が渾天儀を見ていると皓月がやってくる。花芷は天象に関しては本をたくさん読んで覚えたから詳しいのだと語り、皓月が天象に詳しい理由を訊いた。皓月は本を読んだわけではなく幼い頃から両親と牽星板を見ながら航海し、海象をたくさん見るうちに覚えたと話した。かつて氷海の海を航行したと語る皓月に北方の人間かと追求すると、余計なことに首を突っ込むなと牽制された。
前夜に月の笠がでたことから皓月は雨が降ると察して雨ごいを行い、再び陛下から褒美を問われる。皓月は5日後の陛下の天寿節で花火を上げて、再び雨を乞いたいと願い出た。
花芷は皓月らが天寿節で使う花火を作っている様子をこっそり伺うと、かなり強い硫黄の臭いがすることに疑問を覚えた。そして花家の家紋だけを書いた凧を上げて晏惜に知らせようとした。それに気づいた顧晏惜は花芷が何かを訴えようとしていると察し、夜半に李猴を天文院に潜入させた。花芷は竹筒に入った火薬を李猴に見せると何事か囁いた。
芍薬が引き続き赤い粉について調べていると、西域の赤信石というものを見つけ、それ自体は喘息の薬だが雄黄で焼くと碧信という劇毒になることを突き止めた。試してみるために薬局で雄黄を買ったが、そこに同じく雄黄を求めに来た皓月の侍女たちがやってくる。芍薬の手に赤い粉がついているのに気がついた彼女らは芍薬のあとをつけて、凌王府の人間であることを突き止める。皓月の計画を悟られたかもしれないと思った彼女らは芍薬を事故に見せかけて始末することにした。
自室で赤い粉に雄黄を混ぜて加熱し碧信になることを確認した芍薬だったが、押し入ってきた男に殴られて意識がもうろうとしているところに火をつけられ、気がつけば炎に巻かれていた。
昔の記憶が蘇って恐怖で身動きもできなくなっていたが、止名楼から帰ってきた沈煥が火事に気がつき、芍薬を助けるために部屋に飛び込んできた。そして彼女を助けようとしたが、燃えた木の下敷きになってしまった。恐れで動けなくなっていた芍薬だったが炎に焼かれそうな沈煥を見ると甕の水に布を浸して沈煥の衣の火を消して2人で部屋の外へ逃げ出し、赤い粉の調査状況を聞きに来た陳情に救出された。
馬車の中で沈煥は助けられなくて情けないと自分を責めたが、芍薬はとても勇敢ですごい人だと褒めると、火が怖くてたまらなかったけどあなたを失う方がもっと怖かった。あなたを好きな思いが恐怖に勝ったと気持ちを伝えた。
彼らを助けた鄭虎と陳情は七宿史は陛下に見張られているからと花家へと向かった。花家の戸を叩くと、たまたま外で話をしていた阿撿と沈淇が中に入れてくれた。落ち着いたところで芍薬に話を聞くと、あの赤い粉が毒薬になると知らされた。この日は天寿節であり陛下の身が危ういと伝えようとしたが、陛下に謁見できる身分のものはいなかった。太后にならば会えるかもしれないと、太后が顔を知っている阿撿とともに太后のいる善化寺へ向かうことにした。
皇宮では天寿節の宴が開かれ、皇帝と恵王、臣下の家族が招かれていた。恵王は冷えてきたからと陛下に外套をすすめるが素っ気なく断られてしまう。すると自分の卓から酒を持ってきて、皇帝に一献勧め2人で盃を交わした。
鄭虎、陳情、芍薬、阿撿が善化寺に到着し、陳情が七宿司の腰牌を見せて謁見を願うが、司史がいなければ謁見はできないと断られてしまう。阿撿が見覚えのある門衛だと気づき、六皇子の顧晏昭が挨拶に来たと告げると門衛は彼らを中に通した。
4人と謁見した太后は阿撿の姿を見て生きていたのかと喜び、芍薬も小さい頃に会ったことがあると再会を喜んだ。話を聞いた太后は太后の詔を書くとそれを渡して鄭虎と陳情を先に皇宮に向かわせ、自分も芍薬、阿撿と共に皇宮に向かった。
宴に皓月が姿を現し、雨ごいの舞を始める。花芷もその一員として宴に随行してきていた。舞が進み、花火台に着火されると見事な花火が打ちあがったが、それを見て皓月は呆然とした。呆ける皓月に陛下は火薬の効果が期待外れだったかと揶揄し、皓月は知っていたのかと顔をゆがめた。陛下はかつて昭国との苦水河の戦いで使われた敵側の兵器だったと指摘して、七宿司が入れ替えたのだと告げた。花芷は入れ替えたことを知っていたのかと驚いた。
<感想>
皓月って昭国の間者だったのね。それで皇帝の命を狙ってたのか。ただ意外とそこまで悪い人じゃないのかな。なんか訳ありっぽい。花芷のことを羨ましいって言ってたし。花芷みたいにすべてを昇華して前を向いて生きていくことができなかったから羨ましいんだよね。
あと恵王がめっちゃ怪しいんだけど。あのお酒って毒入りよね?でも自分も飲んでたんだよなぁ。飲んだ振りをしただけ?酒瓶に細工がしてあって、手元で切り替えて陛下には毒入りの酒を、自分には毒なしの酒を注いだのかも。武則天でそういう瓶がでてきてたし。普通に考えればもう世継ぎは自分しかないんだから気長に待ってもいいはずなんだけど、あの皇帝とはかなり仲が悪そうだし、かなり嫌われてるっぽいし、しかも皇帝は晏惜のことが大のお気に入り。自分を排除して晏惜を世継ぎに指名しかねないって不安になってもおかしくはないよね。
芍薬、怖かったよね。トラウマだもんね。フラッシュバックして動くこともできないくらい怖かったんだよね。でも沈煥を失いたくなくて頑張ったんだよ。乗り越えられてよかった。本当に頑張ったよ。このカップルはピュアで本当に可愛らしいわ。
顧晏惜と花芷は凧でやりとりしたのね。一方通行だけど。2人ともこのまま陛下の言うなりになる気は多分ないけど、今はとりあえず大人しくしておこうって感じかな。李猴が天文院に忍び込めるなら、顧晏惜が慎閣から解放されればやりようはあるしね。
そして恨んでも意味がないって。こういうところ、強いなぁ。花芷って。家族を流罪にされて、苦労して溜めた財産はすべて没収されて、自分は顧晏惜と引き離されて。普通は恨むはずなのに、恨んでも何にもならないし何も生まない。そんな無駄なことに心と時間を使うくらいならもっと建設的なことに使うってことだよね。強いわ。
ところで花芷って本当にお茶を入れるのが下手なのか、嫌がらせでやってるのかどっちなんだろ?花芷の性格からしてつまらない嫌がらせはやらなそうだから、本当に下手な気はするけれど(笑)。